借金からの復活~蹴っ飛ばせ、多重債務!~

多額の借金から立ち直ったサラリーマンの記録です。同じ悩みを抱える人の参考になればと思います。

小規模個人再生に必要な書類、そして収集のコツ

さて、私の債務整理のお話。

 

銀行カードローン、消費者金融、クレジットカード(キャッシング、ショッピング)の合計約1,000万円の借金を、小規模個人再生で減額し、月々の…ひいては日々の生活を立て直す作戦。

 

はじめは、受任通知で債権者からの取り立てから身を守りつつ、弁護士費用を支払い切ってから満を持して小規模個人再生の申し立てをする予定でしたが、思いの外早く、モビットから訴訟を起こされてしまい、個人再生の申立を早期に行う作戦にシフトしました。

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というわけで、私は、小規模個人再生の申立に必要な書類を集めていくことにしました。

  

 

必要な書類はこれだけある!

私の場合、個人再生の申立に必要な書類は、これだけありました。

 

  • 申立書(弁護士が作成)
  • 申立に至った理由
  • 住民票
  • 持ち家の登記事項証明書
  • 持ち家の固定資産評価証明
  • 持ち家の査定書類
  • 住宅ローンの契約書
  • 火災保険証書、返戻金見込額計算書
  • 給与明細(直近3カ月分)
  • 源泉徴収票(直近2年分)
  • 通帳のコピー(過去2年分)
  • 直近2カ月の家計簿
  • 退職金見込額計算書
  • 児童手当支給決定書
  • 生命保険証書、返戻金見込額計算書
  • 車検証
  • 自動車の査定書類
  • 自動車保険証書、返戻金見込額計算書

※以下は、私は「該当なし」のため提出していませんが、ご参考までに。

  • 同居人の給与明細
  • 税金の督促状
  • 差押決定通知 

 

ちなみに、もちろん債務関係の書類(債権者一覧表など)も必要になるのですが、それは既に弁護士の先生に相談し、受任通知を発出する時点で既に書類ができていることが多いので、申立のタイミングで改めての作業が必要になることはありませんでした。

 

これらを、弁護士の先生に提出すると、あとは裁判所に提出できるよう、弁護士事務所の方でとりまとめをしてくださいます。

 

ただ、結構な数の書類が必要になる上に、どうやって手に入れるのかが難しいもの、あるいはこっそりと手に入れたいもの、いろいろあると思います。

 

私は、家族にも職場にもバレずに、これらの書類を集めきることができました。その時のことを振り返りながら、どのように書類を収集したのかを記します。

 

住民票は簡単!市役所などでゲット

まずは住民票。これは簡単で、最寄りの市役所などに行って、本人確認書類とともに申請書を出せば簡単にゲットできます。

 

なおその際、「省略なしのもの、世帯全員分が必要になること」「ただしマイナンバーの記載は不要であること」の2点にご注意ください。

 

ちなみに私は、役所の窓口で「省略なしのものなんて滅多に使わないんですが、何に使うんですか?」と結構詰められました。「弁護士の先生に出すように言われました」の一言で押さえ込めましたが、「えっ、そこ、引っかかるんだ」と驚いたものでした。

 

持ち家の登記事項証明書は法務局、固定資産評価証明は市役所で

私は住宅資金特別条項(住宅ローンを除いて行う個人再生)の適用を受けることとしたので、持ち家関係の公的書類が必要になったのですが、これは少し難しかったです。

 

まず、登記事項証明書…登記簿謄本などと言われたりもしますが、これは、法務局に取りに行きます。市役所は、まだ日常生活の中でたまに行くことがありますが、法務局は仕事で用がなければそうそう行くこともない場所なので、少しハードルの高さを感じるかもしれません。

 

もっとも、法務局の人も、そういう人に慣れているのか、「よく分からないんですけど…」みたいな感じで窓口に相談すると、結構親切に対応してくれました。

 

次に、固定資産評価証明の方。こちらは、市町村税である固定資産税に関係する書類なので、市役所などの税務担当課の窓口へ取りに行くことになります。ややこしいですね。

 

ちなみに、これら一連の手続きにおいて、もし固定資産税の課税通知(税額決定通知書)があると、自分の持っている固定資産がすべて特定できるので、これがあると手続きが非常にスムーズに進みます。特にマンションの場合、共有持ち分とかが結構ややこしいので…。

 

ちなみにこのほか、持ち家関係では査定書類が必要になります。これは、一般的な不動産業者で取得することができるのですが、ここは特にいくつか注意事項があるので、後日、別記事で詳しく書こうと思います。

 

自動車関係は割と簡単…

自動車関係は、車検証と査定書類が必要になります。

 

車検証はおそらく車のグローブボックスに入っていると思うので、それをコピーすればOK。

 

査定書類は、カーディーラーや中古車センターなどに依頼をすれば作ってくれます。ただしその際、「査定ありがとうございます。ただ、結果を見て、引き続き乗ることに決めました」というふうな、要は「お断り」をしっかり言わないと、「売ってください」営業が結構すごくて、うんざりします…。

 

家計関係は退職金見込額計算書が強敵!

家計関係のうち、「給与明細」「源泉徴収票」については、おそらく過去に借入を行ったときに入手したことがあるでしょうから、それほど難しいとは感じないかもしれません。

 

また、銀行の通帳もそれほど難しくはないはず。なお、ネット銀行やオンラインバンキング対応銀行の場合、該当画面の印刷物でもOKだったりします。また、もし紛失している場合、銀行で取引履歴の記録を発行してくれますので、これを提出しましょう。

 

やっかいなのが、退職金見込額計算書

 

これは、要は「仮に今退職したら、どれくらいの退職金をもらえるかを計算した書類」なのですが、これをどうやったら入手できるかというのは、実は相当に悩ましい問題です。

 

一番オーソドックスなのは、勤務先の人事・給与担当課にお願いして作ってもらう形になるのですが、こんなの、めったに使うことはないので、相談しに行ったときに、「え、いいですけど…何に使うんですか?」と問い詰められることは、目に見えています。

 

それはうっとうしいですし、職場バレのリスクにもつながりますよね。

 

この事態を打破する方法はいくつかあるのですが、

 

  1. 「住宅ローンの審査に必要」というウソをつく
    →絶対、というわけではありませんが、住宅ローンの審査のときにこれが必要になる事例は、たまにあるようです。なので、これであれば、変な借金問題を疑われることはなくなります。なお、住宅ローン借入済みの人の場合は「住宅ローンの借換」などと言えばよいでしょう。

  2. 自分で計算してしまう
    →ある程度の職場であれば、退職金の計算方法は職場の規程などに定められていると思います。おおむね、「給料月額×通算勤務年数ごとに定められた計数×もろもろの調整率」みたいな算式になっているかと思うので、これを使ってExcelなどで計算書類を自作し、根拠資料として当該規程を一緒に出す、という方法です。私はこれで行きました。

 

このあたりで行くと、うまくいくでしょうか。

 

なお、このとき、家族の中に働いている人がいると、その人の給与明細の提出も求められてしまいます。上手にやれれば良いのですが、このパターンの場合、家族バレを覚悟しないといけないかもしれません。

 

家計簿は意外とざっくりでもいける!

家計関係については、これらのほか、家計簿の提出が必要になります。

 

これが結構ハードルが高く感じる人が多いようですが、実はこれ、そんなに苦にはなりませんでした。

 

家計簿というと、どうしても日々の収入・支出をかっちり円単位でつけていないといけないイメージがありますが、実際問題、そこまでできている人というのはいないわけで、まあ端的に言うと「ざっくり」でOKなんです。

 

注意事項としては、たとえば光熱水費や住宅ローンなど、通帳と突合できるところだけはしっかりつけることと、1月の家計収支の中で、再生計画認可後の支払いができるような状況であることを明らかにすることですね。

 

このあたりも、後日別記事をもうけて、しっかり書いてみたいと思います。

 

保険関係は楽!なければ保険会社に電話! 

保険関係は、私の場合「生命保険」「火災保険」「自動車保険」の3つがありました。これらについて、「証書」と「解約時の返戻金見込額計算書」が必要になります。

 

私は幸い、証書についてはこれらを全部残していたほか、毎年送られてくる「契約状況の確認」書類も保管しており、生命保険については、この中に「解約時の返戻金見込額」が記載されていたので、これのコピーでOKでした。

 

火災保険と自動車保険はこれがなかったのですが、それぞれ保険会社に電話し、「作って送ってください」と言えば、概ね1週間で、これが郵送されてきました。ちなみにそのとき、特に事情等も聞かれず、極めて事務的に、淡々と話が進んでいきました。

 

まとめ

とまあ、これらの書類を、私はおおむね1カ月間かけて収集しました。

 

その過程の中で、どうしても平日昼間出ないと行けない役所があるので、仕事を半日×2回休むことになりましたが、それ以外は、スキマ時間を活用して、なんとか収集しきることができました。

 

精神的には落ち着かない日々ではありましたが、なんというか、いろんなところから書類を集めてくるこの様子、なんだかRPGのワンシーンみたいだなあ…などと、のんきなことを思っていたことを、よく覚えています。

 

それだけ、自分の精神面にゆとりがあったのは、きっと、専門家の先生に相談しているという安心感があったからだと思っています。

 

 

手続きもいよいよ後半戦。引き続き、気持ちを引き締めながら取り組みたいと思います。

小規模個人再生の申立における家計簿の作り方

前回のブログで、小規模個人再生における必要書類の集め方について、その概略をご説明いたしました。 

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その中で、多くの人がどう対応するか迷いそうなのが、家計簿(家計収支表)。今回は、これに関するお話です。

 

 

そもそも、家計簿なんてつけてる?

家計簿。今さら定義付けなど必要ないかもしれませんが、ウィキペディアより。

 

家計簿(かけいぼ)とは、家計において一家の収入・支出などを記入する帳簿のことである。確固とした基準が無いため多種の様式が存在する。現金及び、現金同等物の収入支出の記録が主であるのでキャッシュ・フロー計算書に似ている。

 

だそうです。

 

ところで皆さん、家計簿って、つけてますか?

 

恥ずかしながら私は、家計簿などというのは全くつけたことがなく、それゆえに自らの収入だけでは家計を賄えなくなっていることを客観的に気づくのに、随分と時間がかかってしまいました…。

 

そして、そんなわけですので、「小規模個人再生の申立において、家計簿の提出が必要」というのが、結構なハードルになっていると感じていました。

 

家計簿の様式は決まっていない!

ところが、ここで1つ、先ほどのウィキペディアに、大きなヒントが隠れています。

 

> 確固とした基準が無いため多種の様式が存在する。

 

そう、家計簿には、確固たる基準がない…裏を返せば、「自分である程度好きなように基準を設定できる」ということなのです。

 

つまり、市販の家計簿のようなきめ細かい様式にする必要は必ずしもなくて、自分が説明できるような数値を拾える項目のまとめ方ができてしまいます。

 

ですので、ここの項目をどのように設定し、どのような表を組むかを、まずこちらで考えることができるのです。

 

正確な数値は通帳と突合できるものだけでOK!

さて、数値を把握しやすい項目のまとめ方をしたとして、次に悩むのが、「どのような数値を入れるか」という問題。

 

家計簿をホントに正確に記録しようと思ったら、日々のお買い物について、レシートを残しておき、銀行でお金の出し入れがあったら、取引明細を記録したりしなければなりません。

 

でも、そんなの、普通はやってないですよね。

 

では、どうするか。

 

先ほどの話に戻ってみますと、正確な家計簿をつけるためには、レシートなどが必要だというような話になりますが、このレシートは、要は「何に、いくら使ったかの証拠書類」なわけですよね。

 

てことは、少なくとも、その証拠書類があるものだけは、数値をしっかり合わせておけば良い。

 

じゃあ、その証拠書類って、レシート以外は何があるのか…。

 

それは、通帳です。

 

前回のブログ記事でもお話ししましたように、個人再生の申立においては、通帳(のコピー)を裁判所に提出することが求められます。これと、同時に提出する家計簿との間で、整合性がとれているかというのが、チェックの対象になり得るということなんですね。

 

これにより、たとえば光熱水費や公共料金、家賃・住宅ローンなどといった、口座振替の形で支払っている項目については、円単位でバッチリ数値を合わせることができるわけなのです。

 

そして…逆を言うと、このように、客観的な根拠資料を示せない支出…たとえば、食費などがそうだと思うのですが、これらは、

  • 月末の収支状況とつじつまが合う(たとえば収支が大黒字・大赤字だとおかしい)
  • 一般的に妥当な金額である(たとえば月末の収支を合わそうとするあまり、月の食費が5,000円とかになるというのは通常考えがたい)

という点に注意しさえすれば、概算の数値…つまり「ざっくり」でもOKということになります。

 

そりゃあ、書類を審査する裁判所の立場だと、正確な家計簿が出てくるに越したことはないのですが、現実問題として、なかなかそこまでは望みがたい…ということで、こういう形になっているのかなあ、と想像しています。

 

 

4. 私の家計簿サンプル

ということで、私が実際に作成した家計簿のサンプルをご用意いたしました。

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家計簿サンプル

実際に提出したものと、項目の設定の仕方は変えていますし、また数値も架空のものを置いていますが、雰囲気は十分伝わるのではないかと思います。

 

このサンプルでは、分かりやすくするため、「通帳と突合がかかるもの」について、セルを黄色に着色しています。

 

逆に言うと、それ以外のところは、概数では正しいということを前提に「調整しろ」として使える、ということですね。

 

ちなみに私は、弁護士費用を支払っている途中で家計簿を作っていました。この「弁護士費用」が、再生計画認可後の返済額に相当する、という考え方になります。

 

ですので、もし弁護士費用支払後の状態で家計簿を作るときは、ここが「別口座への積立額」という項目になるのでしょう。

 

まとめ

今回は、小規模個人再生の申立を行う際に必要な「家計簿」の作り方について、少し深入りして開設してみました。

 

とにかく、意識すべきポイントは

  • 通帳と突合のかかるところは、しっかり数値を一致させること
  • それ以外のところは、概数として正しければ「調整しろ」として差し支えないこと

この2点でしょうか。

 

家計簿と聞くと、正確に作らないといけないというプレッシャーがあるかもしれませんが、現実問題として、債務整理中の人がこれをできているかというと、結構難しいというのは周知の事実。

 

できる範囲のことを正確に、誠意をもって資料を作り、説明しきることができれば、ここはちゃんと突破できます。

 

必要以上に恐れる必要はありません。専門家の方としっかり相談しながら、頑張っていきましょう。

自己破産の増加…ホントに銀行カードローンだけが原因?

少し前の報道ですが、最高裁がまとめた2017年(平成29年)の個人の自己破産申立件数(速報値)は、前年比6.4%増の6万8,791件で、2年連続の増加となったそうです。しかも、その伸び率は2016年(平成28年)が1.2%増だったので、ここから大幅に拡大した、ということになるんだとか。

www.asahi.com

 

記事によりますと、この背景には、銀行カードローンの影響があるのではないかということです。

 

以前も、全銀協さんのプレスリリースを見ながら、銀行カードローンについての一考察を行いましたが、今回も少し、考えてみたいと思います。

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破産・再生の統計データ

自己破産や小規模個人再生の件数に関するデータは、裁判所ホームページの「司法統計」に掲載されています。

 

ただ、なかなか目的の統計が探しにくいのですが、これらを追っていくと、「事件の種類と新受件数の推移  最高,全高等・地方・簡易裁判所」という統計があり、ここから数値を拾うことができそうです。

 

それをまとめたのが、下記のような感じ。

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ここでは自己破産がテーマですが、ついでに小規模個人再生も数値を拾ってみました。

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自己破産の方は、冒頭の新聞記事に記載された数値とは、やや違いがありそうですね。個人的にはこの数値の不一致が少し少し気持ちが悪いですが、おそらく数値の取り方に差があるのでしょう。いずれにせよ、H27→H28で数値の減少傾向が増加傾向に変わったあたりは、同じような傾向が出ていますね。

 

ちなみに、小規模個人再生の方は、H26→27にかけて増加傾向に変わっています

 

どちらも、しばらく減少傾向にあったものが増加に転じています

 

このあたりに、どのような原因があるのか…記事では、このあたりにも言及がなされています。

 

破産・再生の原因は銀行カードローン?

記事では、このような自己破産の増加の原因について、

 

「貸金業法の成立」・施行に伴って、消費者金融では年収1/3超の借入ができなくなったが、一方で銀行カードローンは同じ業態なのに1/3超の貸し出しを行って、多重債務→自己破産の一因を作っている」

 

というような趣旨でまとめています。

 

なるほど、確かに感覚的には分かる話ですし、先日の全銀協のカードローン実態調査も、そのようなストーリーを、ある種裏付けるようなデータでまとめられていたような印象がありました。

 

でも、本当にそれだけで整理しきって良いのでしょうか

 

債務整理のニーズ変化はどうだろう…

ところで、今回の議論は、「貸金業法の成立・施行」がきっかけであるということが記事に紹介されていました。

 

この件は、一連の文脈の中では「年収1/3を超える借入ができなくなる」というところが注目されていますが、同時にこれらの流れの中で、利息制限法の上限(20%)を超える「グレーゾーン金利」が撤廃されたという効果も持っております。

 

そして、これを受け、過払い金の請求というのが全国的に多々発生したわけですね。この過払い金の請求については、基本的には債務整理の手法の中でいうと「任意整理」のカテゴリーで処理されていくことが一般的です。

 

さてさて、記事によると、貸金業法が改正されたのが2006年(平成18年)ということで、おおむねこの時期から先、しばらく過払い金の請求ブームが続いていくこととなります。

 

なので、債務整理を行うべく、弁護士・司法書士事務所へ足を運んで相談すると、まずは過払い金の存在を前提に、任意整理から話を進めていくパターンが多く、これで解決することも多かったのではないかな、という推測が立つのです。

 

つまりは、債務整理の中で、いわば最終手段である自己破産や、その一歩手前である小規模個人再生といったカードまでを切らなくとも、多重債務の問題を効果的に解決できる手段が他にもあった…だから、自己破産や個人再生の件数が減少した、という仮説はあり得ないだろうか、ということなのです。

 

そして、過払い金請求のニーズがおおむね充足した一方で、現状の多重債務者は、銀行カードローンをはじめとした、合法的な借入のみで多重債務となってしまっています。

 

過払い金の返還が得られない状況では、将来にわたる利息カットにとどまる任意整理では、あまり債務整理としての効果が高くないので、より効果が大きな小規模個人再生や自己破産の方に、債務整理のニーズがシフトしてきたのではないか…というような議論も、ひょっとするとあり得るのではないでしょうか。

 

この仮説については、任意整理の件数を統計データで把握できない限りは、どこまでいっても「仮説」の域を出ないのかも知れませんが、一つの問題提起としてどうだろう…と思った次第です。

 

まとめ 

とまあ、ここまで、ニュースや統計データを見ながら、簡単に自己破産や小規模個人再生の件数の増減と、その背景にあるものについて、簡単に思いを馳せてみました。

 

最近、債務整理に関する話題が新聞報道等で取り上げられているのをよく見ます。

 

それだけ、多重債務に関する悩みが社会問題になっているのだろうと思います。

 

しかし、私自身の経験にも基づく話になりますが、多重債務問題は、きっちり勉強して、正しく専門家に相談すれば、必ず解決します。

 

今回の問題をきっかけに、無料相談などの第一歩を踏み出していただければ、とても嬉しいです。

職場で官報が回覧されている私でも、個人再生がバレなかった件

小規模個人再生や自己破産をする際のデメリットの1つとして挙げられるのが、「官報に載る」ということ。

 

ところが、「そもそも官報って何?」という人にとっては、これがどれくらいのデメリットなのか分からない、という話になるでしょうし、逆に官報が何かを知っている人にとっては、「えっ、そんなところに自分の名前が載るの!?」と、不安になったりするのではないでしょうか。

 

ちなみに私は後者。官報に載ることをリスクとして理解していた人でして、それゆえに自分自身の債務整理の序盤、大手弁護士事務所の「任意整理で行きましょう」という誘いに乗ってしまったわけなのです。(後に弁護士事務所を変え、小規模個人再生に切り替えています)

 

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実は私は、職場で官報が回覧されているような仕事に就いている人。官報に載るリスクは、なかなかのものです。

 

そんな私が、官報に載ってしまうと、どうなるのか…。

 

今回は、そんな私の実体験を振り返りながら、考えてみたいと思います。 

 


そもそも官報って? 

そもそも、官報とは何なのか。

 

例によって、Wikipediaからの引用です。

 

官報(かんぽう)とは、日本国の機関紙である。国としての作用に関わる事柄の広報および公告をその使命とする。

 

…うーん、分からん(笑)

 

ここはもう、現物を見た方が早いと思うので、官報というものを、見てみることにしましょう。

 

官報は、インターネットでも公開されています。

 

インターネット版官報

 

ここから、少し前のものになりますが、本日の官報、というのを開いてみることにしましょう。  

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官報

ほほう、奇しくもピッタリ7200号なんですね。

 

それはさておき、目次を見てみますと、

  • 政令
  • 告示
  • 国会事項
  • 人事異動
  • 官庁報告
  • 公告 諸事項(官庁、裁判所、特殊法人等、会社その他)

 

というような構成になっていることが分かります。

 

このうち、小規模個人再生や自己破産の人が乗るのは、どこなのか。

 

「裁判所」の公告欄に「相続、公示催告、失踪、除権決定、破産、免責、特別清算、会社更生、再生関係」とあるので、おそらくここに載るのだろうな、ということが分かります。

 

では、官報というのを早速、1ページから読んでみることにしましょう。

 

 

……

 

………。

 

つ、つまらん(汗

 

これが、多くの人の感想なのではないでしょうか。

 

官報というのは、簡単に言うと、「法令(法律や政省令)の公布」や「国の官庁の報告事項」などを報告するために存在する広報誌なので、はっきり言って、日常生活における読み物として使うような代物ではないのです。

 

一方、国としては、「官報に載せる=広く国民に知らしめる」ということになる、というふうに考えているわけでして、この意識のギャップはすごいなあ…と、一国民として、単純に思います。

 

小規模個人再生は官報にこう載る!しかし…

さてさて、そうした中、債務整理をする人にとって気になるのが、「裁判所」の公告欄。

 

ここに自分の名前が載ることで、広く国民に「自分は債務整理をしましたよ」ということが知られてしまう…という不安を、多くの人が持っているのだろうと思います、

 

では、果たして、どんな載り方をしているのか…。改めて、インターネット官報で当該欄を見てみましょう。

 

インターネット版官報

 

ここでは、自分自身も経験した、小規模個人再生の開始決定を見てみます。以下、開始決定の掲載のサンプルです。

 


小規模個人再生による再生手続開始

 

平成30年(再イ)第○○○号

○○県××市★★町XXX

再生債務者 ○○ ○○

1 決定年月日時 平成30年○月○日午後○時

2 主文 再生債務者について小規模個人再生による再生手続を開始する。

3 再生債権の届出期間 平成30年○月○○日まで

4 一般異議申述期間 平成30年○月○日から平成30年○月○○日まで

○×地方裁判所○×支部


 

住所・氏名が載っているのを見て、一瞬たじろいだかもしれません。

 

でも、よく考えてみてください。この官報、上記のような項目が、前後に山ほどあります。法人・個人の破産に個人再生、民事再生…と、とんでもない項目数が、この官報の中に詰まっています。

 

しかもこの官報、本体は32ページなのですが、実際はこれらの情報が多すぎるので、「号外」として、別冊が発行されます。ちなみに、この日の号外は96ページありました。

 

そして、そんなものが、毎日、毎日、発行されている…。

 

果たして、このように、日々積み上がる膨大な情報量の中から、自分の名前を見つけることが、果たして可能なのでしょうか

 

いや、どう考えても、現実的に、無理だと思います。

 

少なくとも私は、自分自身の債務整理において、自分の名前を探すことすらできませんでした。

 

これだけの情報量の中から、知っている人を見つけることができる可能性は、確かに掲載されている以上、ゼロではないのかもしれません。しかし、現実問題として、限りなくゼロに近いのではないかと考えられます。

 

官報は普通のネット検索ではヒットしない

このように、官報に載っている情報量があまりにも膨大すぎて、なかなか自分の名前を探せない、という話がありました。

 

となると、これを検索することができるのではないか、という不安が次に頭をよぎります。

 

しかし、このインターネット官報における公告関係の欄については、そもそもPDFファイルが画像処理されているので、Googleなどの検索エンジンで記事がヒットすることはありませんし、インターネットで掲載されている期間も30日間。これを経過すると、普通の「インターネット官報」では情報が出てこなくなります。

 

唯一、不安があるとすれば、有料サービスの「官報情報検索」。この中で自分の名前を検索すると、ヒットしてしまうのは事実のようですが、このサービスは月々2,160円。

 

これを普通の人が利用するようなことはまず考えられませんし、ましてやここに自分の名前を入れて検索するような人がいるか…というと、多分いないと思います。

 

ここでもまた、「官報がきっかけで小規模個人再生・自己破産がバレる」というのは、まず考えられない、ということが言えるかと思います。

 

誰も読まない?職場で官報を購読しているのに…

ところで、ここまで、インターネット上から見られる官報に意識が行っていましたが、紙ベースの、冊子の官報はどうなのか。

 

官報の購読者は、一般的には下記のようなところだと言われています。

 

  • 金融機関の関係者
  • 法律に携わる関係者
  • 債権回収会社の関係者
  • 税務署・自治体の税務担当者
  • 企業の総務・法務担当者

 

身近に、このような人がいなければ、おそらく官報というものを見ることは、一生ないでしょう。それくらい、官報というのは、一般の人には知られていないものなのです。

 

ところが、私の場合、実は私自身が上記のいずれかに該当する人でした。ですので、職場には日々、官報が回覧されている…。

 

私が小規模個人再生に踏み切ったときには、自分の直接の担当が上記のいずれかというわけではなかったのですが、それでも近くの部署で官報が日々回覧されているというのは、実は結構なプレッシャーでした。

 

でも…結果として、誰も官報に気づくことはありませんでした。理由は先に述べたとおり、

 

破産・再生関係の情報量が多すぎて、とても官報の全情報など見てられない

 

これに尽きます。

 

実際、私もかつて、官報の冊子が日々回覧されていましたが、はっきり言って日々の業務にダイレクトに関係することはないので、こんなものを熟読している暇はなく、はんこだけ押して、さっさと次の人に回してしまっていました。そして、次の人も同じように速攻ではんこを押して回していく…。

 

つまり、逆説的ではありますが、官報が身近にあったがゆえに、「官報なんて誰も見ていない」という事実を、この目でしっかりと確認できていたわけなのです。

 

それが分かっていても、なお不安にさいなまれる…。債務整理というのは、本当に、孤独な戦いなのです。

 

まとめ…官報で個人再生・自己破産がバレることはない!

このように、この記事では、

 

  • そもそも官報なんて普通の人は知らない
  • ごく一部の人が仕事で使っているのみ
  • インターネットで掲載されているが、検索不可の上、30日で消える
  • 情報量が膨大すぎて、この中から自分の名前を見つけるのは無理

 

というような理由から、

 

官報がきっかけで債務整理がバレることはない

 

ということをご説明しました。

 

私自身も、実はこの点が非常に不安でしたが、債務整理を終えた今、当然、誰も官報などに気づくはずもなく(ていうか、職場に官報があるはずの私自身ですら、見つけられなかったですからね)、何事もなかったかのように、職場で日々、元気に、楽しく仕事を続けています

 

皆さん、安心してください、官報でバレることは考えられません

 

以上、官報が日々回覧されている職場で小規模個人再生を行った経験からの見解でした。

債務整理(個人再生)の際は、税金の滞納にも気をつけて

債務整理の手続きをしていると、やはり借金の方に意識が行きがち。でも、税金の滞納という問題を同時に抱えている方も、実は結構多いものです。

 

取り立ての恐怖などから、つい借金を優先しがちなイメージがありますが、税金の方もしっかり対応しておかないと、中長期的な生活の立て直しは困難になります。

 

今回は、税金と借金の性質の違いに着目しながら、税金滞納にどう対応するかを考えてみようと思います。今回のテーマは、特に小規模個人再生を検討している方には影響が大きい話になるかと思います。

 

 

税金は特殊な債権!

そもそもの債権管理の話になるのですが、債権には大きく

・公債権

・私債権

の2種類があります。

 

公債権とは何かというと、公法上の原因によって発生する債権のことで、一方で私債権というのは、私法上の原因(要は契約)に基づいて発生する債権のこと。

 

さらに公債権は、

・強制徴収公債権

・非強制徴収公債権

の2種類に分かれます。

 

強制徴収公債権」は、公債権のうち、個々の法律によって強制徴収の手続きが規定されているもので、その代表的なものが、国税・地方税といった税金です。

 

一方の「非強制徴収公債権」は、公債権ではありますが、国や自治体が一方的に強制徴収を行うことができず、私債権と同様に、回収に当たっては裁判の手続きが必要となります。

 

これは、いわゆる「自力救済禁止の原則」というやつですね。要は「自分で債権を回収しにいこうとすると、暴力的な手法に出たりする人が出たりして危ないから」ということで、債権の回収にあたっては、法的な手続きを踏みましょうね、ということになっています。

 

そうした中、国税・地方税のような税金については、そのお金が市民サービスに広く使われるということ、そして何より、税金そのものが法律に基づいて課されており、それを集めるのも公的な機関であるということで、例外的に、裁判手続きを得ることなく、自らの判断で債権の回収をすることができるようになっています。これを「自力執行権」といいます。

 

もちろん、国・自治体の債権すべてにこうした権限が付与されているものではなく、たとえば税金であれば国税徴収法といったように、個別の法律に基づいて、これらの自力執行権は付与されています。逆にいうと、たとえば市営住宅・府営・県営住宅の家賃などは、債権回収についての個別の規定がありませんから、もし踏み倒されそうになったら、普通に裁判をしないといけない、ということになっているのです。

 

まとめると、こんな感じでしょうか。

○公債権…公法上の原因によって発生する債権

 ・強制徴収公債権…回収に際して国や自治体がいきなり差押えをできる債権(税など)

 ・非強制徴収公債権…回収に際しては私債権と同様の手続きが必要

○私債権…私法上の原因によって発生する債権。回収には裁判の手続きが必要(公営住宅家賃など)

 

なお、この「税金」についても、一言でまとめてしまいましたが、納め先として、国に収める「国税」と、都道府県や市町村に納める「地方税」があります。

 

一般的なサラリーマンの場合でしたら、毎年のお付き合いがありそうな税というと、「国税:所得税」、「道府県税:自動車税」、「市町村税:住民税、固定資産税、軽自動車税」あたりになるでしょうか。

(ビジネスを営まれている方の場合、消費税・地方消費税や事業税なども出てくるかもしれませんね)

 

少し難しい話になってしまいましたが、この税金という債権の特殊性に注目しておくことが、税金滞納における処理の方法を見誤らないようにするための第一歩になるかと思います。

 

税金を滞納することが危険な2つの理由

さて、このような予備知識を前提に、税金の滞納について検討をしてみることにします。

 

税金を滞納するとどうなるか。

 

まず、納期を過ぎて20日が経過すると、督促状が届きます。その後、定期的に催告状が届いたり、場合によっては電話がかかってきたりすることもあるでしょう。

 

このあたりは、通常の借金返済の滞納と変わらないか、あるいは催告・督促の頻度が借金の返済ほど高くないので、「あれっ、ひょっとして、こちらは逃げ切れるんじゃない?」というような思いを持ってしまうかもしれません。

 

でも、その発想、実は結構危険です。なぜでしょうか。

 

ここでは、2つの理由が考えられます。

 

【理由1】自力執行権…予告なしの差押え! 

まず一つ、税金は「強制徴収公債権」であるので、債権者たる国や自治体が、先に説明した「自力執行権」を有していること。

 

自力執行権とは何か? そう、少し上にも書きましたが、「裁判手続きを得ることなく、自らの判断で債権の回収をすることができる」権利です。

 

つまり…一般的な借金とは違い、裁判の手続きを得ることなく、自分たちの判断で、差押えに着手できてしまう、ということなのです。

 

差押えをされてしまうと、たとえば給与差押えであれば、勤務先の人事・給与担当課に、借金の存在も含めて月々の家計管理に問題があることが知られてしまいますし、人事評価などで冷遇を受けてしまう可能性もあります。そして、給与の一部が召し上げられる格好になるので、債務整理中の家計立て直しにもダメージとなること間違いなしです。

 

このほか、税金の差押えでは、「預金の差押え」「不動産の差押え」「自動車などの動産の差押え」などが行われます。たとえば、ヤフオクの官公庁オークションでは、国税局や都道府県・市町村が差押えをした動産・不動産の公売が行われています。

 

実際、ヤフオクの官公庁オークションを見てみると、福岡国税局の出品はかなり充実していますが、これらは滞納された税金を回収するために、国税局が差し押さえたものです。

 

このほか、もし消費者金融への過払い金がある場合、この過払い金請求権を差押えして、国や自治体が消費者金融相手に訴訟を起こし、過払い金を回収して税金に充てる、なんていう高度な手法をとることもあるようです。(ちなみにこの場合、過払い金が多額であれば、税金に充てたあとの残額は自分の手元に戻ってきたりもしますが…最近は過払い金が多額になるケースもあまり多くないかもしれませんね)

 

一般的な債権であれば、差押えに先立って裁判の手続きがあるので、この裁判が終わるまでの間に、差押えを回避するための手段をとることができるのですが、税金の場合、事前予告なく、もちろんこちらの同意もなく、一方的に差押えをすることできるので、実は「何かあったときの傷が深い」のは、むしろこっちだったりするのです。

 

ちなみに、ネットの口コミ等を見ていると、差押えなどの滞納処分を打たれてしまうのは、「金額が大きい」「年度を超えて滞納を継続させてしまった」「固定資産税のように、税と差押え財産がセット」というパターンが多いようです。

 

(自動車税も「税と差押え財産がセット」な税金ですが、こちらは滞納があると車検が受けられないため、滞納が長期化しにくく、自動車税の滞納だけで差押えをされたという話は、現実としてはあまり聞きません)

 

【理由2】滞納税は個人再生の対象外!

次に、もう1つ、債務整理をする上で滞納税の取扱いに注意しないといけないのは、「滞納税は個人再生の対象外」ということです。

 

ざっくり言うと、「個人再生の申し立てをしても、税金は引き続き支払わなければならない」「個人再生の計画が認可されても、税金については減額がなされない」ということなのです。

 

この背景には、少し法的な話になりますが、国税徴収法、地方税法において、それぞれ、税金が他の債権に優先して徴収される旨の規定があります。

 

少し条文を見てみましょう。

 

<国税徴収法>

(国税優先の原則)

第八条 国税は、納税者の総財産について、この章に別段の定がある場合を除き、すべての公課その他の債権に先だつて徴収する。

 

<地方税法>

(地方税優先の原則)

第十四条 地方団体の徴収金は、納税者又は特別徴収義務者の総財産について、本節に別段の定がある場合を除き、すべての公課(滞納処分の例により徴収することができる債権に限り、かつ、地方団体の徴収金並びに国税及びその滞納処分費(以下本章において「国税」という。)を除く。以下本章において同じ。)その他の債権に先だつて徴収する。

 

つまり、「法的な債権の強さランキング」みたいなものをつけてみると、「1位:国税」「2位:地方税」というふうに、税金は圧倒的な強さを誇っているわけなのです。

 

滞納を放っておくと突然差押えを食らってしまうおそれがある上、個人再生での減額対象にもならない。税金の滞納をいかにうまく処理するかも、多重債務から人生を立て直す上で、非常に重要なポイントなのです。

 

ちなみに、ここでは個人再生を中心に見ていますが、自己破産の手続きにおいても、これらは概ね同様です。

 

意外と(?)親切…税金滞納はすぐに役所へ相談を! 

これまで見てきたように、税金は債権ランキングの中でも上位に位置し、そう簡単に減額やお目こぼしがなされるものではありません。

 

では、どう処理するかというと、最終的には「全額を完納する」以外の手はありません

 

とはいえ、借金の返済に追われている中、税金を全額完納する余裕というのは、やはり通常、なかなかないでしょう。

 

そういうときは、素直に税務署や都道府県・市町村の税務担当課に「税金の滞納があり、払いたい気持ちはあるが、払えなくて困っている」と相談をしてみましょう。この手の相談は、多重債務の人に限らず一般的によくある話なので、相手もマニュアルどおりに、分納相談に応じてくれるのが一般的です。

 

そして、役所の人間は、滞納者を脅かすことが仕事ではなく、税金をきちんと納めてもらうことが仕事。もっといえば、「国民・市民の生活を守ることが仕事」なので、自治体にもよりますが、本当に困っている人がいれば、役所の福祉部門にあるセーフティネット…たとえば生活保護や生活困窮者支援、多重債務相談などを通じた生活支援などをしてくれる場合もあるほどなのです。

 

税金滞納の解消の道筋をつけておくことは、個人再生を進める場合、計画の認可の判断に及ぶ場合もありますし、何より自分自身の生活を立て直すためにも重要です。

 

滞納が残っている場合は、怖がらず、速やかに役所に相談してみましょう。その方が、かえって話がスムーズに進み、債務整理の方にも好影響が出てきますよ。

モビットから訴訟!差押えを回避しながら債務整理を進めるために

小規模個人再生を個人の弁護士事務所の先生に依頼して、改めて各債権者に受任通知を発出していただき、まずはほっと一安心。

 

あとは、生活を立て直しながら、弁護士費用の約50万円を、概ね6カ月×6万円+ボーナスでの追加14万円で払いきった後に、小規模個人再生の申し立てをしようということになっていました。

 

ところが、ここで1つ、自分にとっては想定外の事態が起こります。

 

1つの債権者から、訴訟を起こされてしまうのです。

 

今回は、そのときの様子を振り返りながら、申し立て手続き中の訴訟をいかに乗り越えていくかをお話ししたいと思います。

 

今回の話は、債務整理において家族バレ・職場バレを防ぐために、そして何より、平穏な生活を維持しながら債務整理を進めるために、特に注意していただきたい内容です。

 

ぜひ、最後までお読みください。

 

 

そもそも訴訟とは?

一般的なイメージで、「借金の滞納→差押え」というのがあると思います。

 

ただ、通常の債権者が、借金の滞納をもって直ちに債務者の財産を差押えすることはできず、いったん裁判を起こし、そこに勝訴して、はじめて差押え…強制執行を行うことができるようになる、というわけなのです。

 

ですので、債権者から裁判を起こされた、ということは、差押えに向けて債権者が動き出している、ということ。

 

ただ、債務者の素朴な疑問として、「受任通知を出しているから、直接の取り立ては止まるのでは…」というのがあるかと思います。

 

でも、ここがまた難しいところなのですが、裁判の手続きを経て行う強制執行は、受任通知が発せされた後もなお行うことができるのです。裁判を経た強制執行は、法的なものであり、「直接の取り立て」には当たらない、ということなんですね。

 

モビットは訴訟への移行が早い!

今回、私に訴訟を提起してきたのは、消費者金融大手のモビット。現在は、三井住友銀行グループであることを明確に打ち出し、「SMBCモビット」となっています。

 

受任通知発出後、約4カ月後に、弁護士さんから電話がありました。

 

「もしもし、実は、モビットさんが訴訟を起こすと言ってきています」

 

「ええ? そうなんですか?」

 

モビットさんは、小規模個人再生でも自己破産でも、受任通知を受け取ってから3~4カ月で、機械的に訴訟を仕掛けてくるんですよ」

 

とのこと。

 

たくさんのテレビCMをうち、インターネットでの広告もさまざまなところで見かけるSMBCモビット。親しみやすいイメージがありますが、どうも訴訟への移行の速さは他の消費者金融と比較しても群を抜いて早いとのこと。

 

ちなみに、他の銀行・クレジット会社・消費者金融さんからは一切訴訟を起こされておらず、その点においても、モビットの法的措置の移行への速さは際立っていました。

 

「最近、特にモビットさんの訴訟移行ペースが速いので、多くのお客さんでこの手の訴訟対応が発生してしまい、結構大変なんです。でも、もちろん今回の訴訟、全力で対応しますので、ご安心くださいね」

 

弁護士さんは、電話越しに苦笑いをしつつも、裁判を前に、決意を新たにしているようでした。

 

特別送達…裁判に伴う家族バレのリスク

さて、訴訟を起こされると、どうなるか。

 

訴訟を起こされると、裁判所から「特別送達」という郵便が届きます。

 

特別送達とは何なのかといいますと、Wikipediaより。

 

特別送達(とくべつそうたつ)とは、日本において、民事訴訟法第103条から第106条まで及び第109条に規定する方法により、裁判所から訴訟関係人などに送達すべき書類を送達し、その送達の事実を証明する、郵便物の特殊取扱。 

要は、裁判所から届く、訴訟関係の特別な郵便です。特別な郵便なので、書留などと同様に、受取には印鑑・サインが必要ですが、これは家族でもOKです。

 

ある日突然、裁判所から届く郵便…。

 

もし家族に内緒で借金をし、これを債務整理している場合、これは相当に怪しいことでしょう。

 

家族に内緒で債務整理をしている私にとって、家族バレの最大の危機はここでした。私が受け取ればうまくいくのですが、平日の昼間だと、家族が受け取る可能性が非常に高く、そこで怪しまれてしまう…。

 

ただ、幸か不幸か、私は当時、勤め先で裁判関係の仕事を担当していたため、家には法律関係の本があったり、仕事でも「きょうは裁判所に直行なんだ」と家族に行って家を出ることなどがありました。

 

ですので、私の場合、実は結果として、裁判所からの郵便が家に届いてもそれほど違和感がなかったようで、妻も「家にまでこんなものが来るなんて、いつも大変ね」みたいな感じで、普通に特別送達を受け取ってくれていました。

 

「ほっ…バレなかったか」

 

私は、自分の置かれた特殊な状況に助けられた格好になりました。

 

ただ、このような状況にある人は、むしろまれだと思います。

 

一般的には、特別送達が届くと、家族バレのリスクが一気に高まりますので、家族に内緒で債務整理をしようとしている人は、絶対に訴訟への移行は避けなければなりません

 

給与差押えは職場バレ確定!

ところで、裁判になったあと、これを放っておくとどうなるのでしょうか。

 

先ほどの「特別送達」には、「訴状」「口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」「答弁書」が入っています。要は、裁判所への出廷を命ぜられる書類が入っています。モビットからの訴訟であれば、東京簡易裁判所への出廷を命じられることになるのですが、これは全国どこに住んでいても東京簡裁への呼び出しとなります。

 

これに対応するのはなかなか難しいのですが、いずれにせよ裁判は進行します。この裁判の中身は、ざっくり言うと、

 

「この人がお金を返してくれないので、お金を返してください」

 

というものになります。

 

通常、この裁判には争点があるとは思えないですし、契約書等をはじめとした各種の証拠書類も、債権者側にバッチリ揃っているので、あっさり債務者側は敗訴してしまいます。

 

そして、この敗訴、すなわち判決確定をもって、債権者側は強制執行の手続きへと移ることとなり、差押えにかかってきます。通常、サラリーマンであれば、源泉徴収票の提出を通じて、借入時に勤め先を先方に伝えているかと思いますが、この勤め先に対して給与の差押えをしかけてきます。

 

給与の差押えは、債権者と勤め先の人事・給与担当課との間で進められていきます。これにより、概ね手取り給料の1/4が差押えされ、勤め先の人事・給与担当課から債権者へと直接支払がなされることになります。

 

これは、手取り給与が減ってしまうこともさることながら、勤め先の人事・給与担当課にこの状況が知られてしまうことがまずいでしょう。多額の借金で勤め先にまで債権者が差押えにやってくる社員は、通常、仕事の信頼もなくしてしまうでしょうから、自らのキャリアにも大きく影響してくることは容易に想像できます。

 

ですので、職場バレについても、避けたいところです。それに何より、給与の差押えは、多重債務に苦しむ状況からの立て直しにおいて、非常に大きな障害になります。

 

何としても、給与差押えだけは絶対に回避しなければなりません。

 

早期の申し立てで差押え回避を! 

ということで、私は弁護士の先生と話し合い、職場バレを防ぐための作戦を立てました。

 

弁護士の先生は、「大丈夫です。このタイミングなら差押えは回避できます」と自信を持ってお話をしてくださいます。

 

先生のお話を要約すると、こういうことです。

 

  • 裁判所からの呼び出しは1カ月先。これに安易に応じず、「訴訟準備に時間を要するので」ということで、期日延期をお願いする。これで少し時間が稼げる。また、訴訟の際も、答弁書をこちらで作成し、提出しておく。

  • それまでの間に、大急ぎで書類を集めて、小規模個人再生の申し立てを行いたい。

  • 小規模個人再生の申し立てさえ裁判所に受理されてしまえば、受理印のある書類のコピーを債権者に見せれば、通常は訴訟取り下げ、判決確定後の強制執行実施前であれば、強制執行の実施は停止、(これは回避したいが)給与の差押えが始まっていれば、これは中止できる。

  • なお、本来であれば申し立ては弁護士費用を払い終えた後であるが、既に約3/4は支払い済みであること、また速やかに対応すべきであることから、例外的に今回は支払い完了前に個人再生の申し立て手続きを進める

 

ということで、私はモビットの差押えが始まるまでに、小規模個人再生の申し立てに必要な書類収集、資料作成を行うことになったのでした。

 

私に与えられた時間は、約1カ月。仕事の合間を縫い、家族の目を避けながら、これらの準備を行うことになるのでした…。

 

まとめ…一刻も早く弁護士等への依頼を!

今回の一連の話、私が小規模個人再生の手続きを進めていく中で、一番緊張したところでした。

 

仕事で裁判の経験があるとはいえ、やはり自分自身の名前が記された訴状をもらう緊張感は尋常ではないものがありますし、そこでの立ち回りを失敗すると、給与の差押えを食らってしまうというのは、今振り返っても、本当に恐怖です。

 

幸い、私はうまく立ち回ることができたのですが、その理由は、早めに弁護士の先生に話をし、滞納から申し立てまでの時間をできるだけ短くし、相手に差押えまで至らせる時間を与えなかったこと…これに尽きると思っています。

 

特に、多重債務の状態にあり、債務整理を検討している方で、借入先の中にモビットがあるところは要注意です。滞納開始or受任通知発出から、早ければ2~3カ月で訴訟を提起されたというような話もあるようです。

 

モビットからの借入がある方は、差押えを未然に防ぐために、速やかに動きましょう。

 

特に、家族バレ・職場バレを避けるためには、訴訟を避けることが必要不可欠ですので、弁護士さんとの話が始まったら、訴訟リスクが高いモビットからの借入があることを速やかに伝えておくと良いと思います。

 

また、他の債権者も、受任通知の効果にかまけてのんびりと対応していると、そのうち訴訟に動き出すというような話もあります。

 

いずれにせよ、弁護士などの専門家としっかり相談しながら、速やかに動いていくことが、債務整理を成功に導く、最大のコツです。特に訴訟の話が視野に入ってきたときは、速やかな専門家への相談を行っていきましょう。

債務整理は個人の弁護士事務所に依頼した方が良いと考える4つの理由

これまでのブログで書いてきたように、私は、

 

  • 当初、大手弁護士事務所に依頼していたものの、自分の思惑と異なる債務整理を推奨されたこと
  • 弁護士さんがほぼ登場せずに事務員さんが中心に動いていたこと
  • その事務員さんの知識レベルに不安を感じたこと
  • きめ細かい対応ができていなかったこと

 

などを理由に、個人の弁護士さんが運営する、言うなれば小規模な弁護士事務所へと契約を切り替えました。

 

今回は、これらを比較し、個人弁護士事務所の強みについて検証してみたいと思います。

 

なお、以下に言う「個人事務所」は、あくまで私が依頼した個人事務所のことについて、私の体験談として書いています。実際には各事務所の方針があると思いますので、これをそのまま鵜呑みにせず、あくまで参考程度にとどめていただければ幸いです。

 

  

【理由1】大手事務所は郵送必須、個人事務所は郵送なしでOK

まず、書類のやりとりについて、大手事務所は原則として郵送でのやりとりを求められていました。

 

これについて、私は「家族バレのリスクになるので、できれば別の方法でお願いしたいのですが」と申し出たものの、「それについては対応いたしかねます」とつれない返事。

 

「弁護士個人の名前で出しますから違和感はないですよ」とのことでしたが、何度も何度も東京在住の個人から郵便が来る状況は、はっきり言って、違和感しかありませんでした

 

この点、個人事務所については、できれば郵送は避けてほしい旨をお願いすると、

 

「そりゃあそうですよね。その代わり、こちらから郵送が必要な書類は、基本的に取りに来てくださいね」

 

と、あっさりと郵送なしのやりとりが了承されました。取りに行く手間は生じますが、家族バレのことを思えば、どうってことはありません。

 

【理由2】大手事務所は電話のみ、個人事務所はメールOK

大手事務所は、さすが大手という感じで、コールセンターが完備されており、おそらく顧客情報がデータベースで管理されているのか、どの担当者が電話を取っても、概ね妥当な感じで事務連絡を行うことができました。

 

ただ、コールセンターが完備されているが故か、個別事案についてメールでの問合せはNGで、常に電話をしないといけないような状況でした。向こうからの架電についても、こちらの都合のいいときにかかってくるとは限りませんし、何なら債務整理の話をしたくない時間に強引に割って入ってくることもありました。

 

一方、個人事務所については、もちろん急ぎの要件のときには電話が入ることもありましたが、基本的にはメールでの対応がOKで、面談日時の日程調整から、データ提出が可能な資料についてはメールの添付ファイルで提出など、かなり柔軟に事務所とのやりとりをすることができました。

 

個人事務所への移行後は、メールでのやりとりができたことで、時間的な面においても、そして心理的な面においても、かなりの負担軽減になりました。

 

【理由3】任意整理…大手事務所は「原則どおり3年返済」、個人事務所は「5年に向けた協議」

これは私は小規模個人再生で最終的に進んだので、直接的に体験した事案ではないのですが、一応、任意整理での検討もしてみることにしたときの話です。

 

大手事務所では、任意整理のスタンダードである「利息カット、元金を3年かけて返済」の形のみが示されました。

 

ただ、私は、1,000万円を超える借金を抱えていたので、これを3年かけて返済というのはなかなか非現実的。単純計算で、1,000万円÷3年÷12カ月=約28万円。実際はもう少し緩いペースにはなるのですが、かなりキツイ数値でした。

 

私は、大手事務所の事務員さんに「これ、かなり無理があると思うんですよ。聞くところによると、原則3年とありますが、債権者との調整次第で5年での返済もあり得るそうなので、その方向で調整いただくことはできないでしょうか?」と話したのですが、やはりここも「原則どおりでお願いします」とつれない返事。

 

一方の個人事務所の弁護士の先生は

 

「う~ん、5年での調整、普通にいけると思うんですけどね。というか、これを3年で整理しようとしても、どこかで破綻するのは明らかだから、債権者側も、ヘタに3年で手を打って、後から個人再生や自己破産されるくらいだったら、5年での回収を視野に入れると思いますが…」

 

との反応。

 

「なるほど、確かにそうなのですが、ではなぜ、大手事務所さんは3年にこだわるのでしょう」

 

と尋ねてみると、

 

「あくまで推測ですが、原則どおりに対応することを徹底し、マニュアル化してるんでしょうね」

 

とのことでした。なるほど、確かにそうかもしれない…。

 

【理由4】大手事務所は事務員さん、個人事務所は弁護士の先生

そして何より、私が一番声を大にして言いたいのは、大手事務所だと、最初の面談もほぼほぼ事務員さん対応で、それ以降は基本的にはコールセンターの事務員さんとの対応になり、弁護士さんとのやりとりがほぼなかった一方で、個人事務所だと、きちんと弁護士さんと「顔の見える関係」が構築できたこと。

 

この「弁護士さんと直接話ができる」というのは、自分にとっては、本当に大きなことでした。

 

自分自身、何とかして上手に債務整理を行うために、自分なりに一生懸命勉強して、その結果を弁護士さんと議論して、専門家の目線でリードしていただきながら、債務整理を進めていける。この「弁護士さんが後ろにいてくれる安心感」は、何物にも代えがたいものがありました。

 

言うまでもありませんが、私たち債務整理を行う債務者が、弁護士事務所に支払っているお金は「弁護士費用」です。

 

この「当たり前」を、当たり前のように享受しようと思ったら、やはり個人の弁護士の先生の顔が見える、個人事務所にお世話になる方が良い、というふうに、改めて思ってしまいます。

 

まとめ

このように、私は両方の事務所への依頼を経験した結果として、小規模な個人事務所の方が、きめ細かく、融通が利き、そして何より弁護士の先生と直接お話ができるというメリットがある、ということを痛感した次第です。

 

もちろん、このことをもって、大手弁護士事務所が劣るということを言うつもりはありません。マニュアルどおりに進む案件にあっては、大手弁護士事務所ならではの安心感が得られる面もあることでしょう。債務整理においては、「債務者の精神的な安心感」というのも、重要なファクターの1つでもありますからね。

 

いずれにせよ、債務整理を検討している方が、少しでも早く、良い弁護士事務所に巡り会えることを、以前回り道をしてしまった身としては、本当に心から願っています。